ハイドン交響曲全集をアダム・フィッシャー指揮、オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団で

c0021859_6204870.gif 1番から104番まで一気に聴き進めてみる。
 こんな全集、作る方も偉業なら聴く方も偉業だと思う。
 でも、全曲一気に通して聴くのはこれはできるならやった方がいい、ハイドンが生きていた時代と「交響曲の父」としてのハイドンの偉業を改めてなぞることができる。
 フランス革命という大変にロマンティックな出来事が、実はフランスのアメリカ植民地経営の失敗とイギリスによるフランスの植民地の奪取から財政危機に陥り、国内の課税強化をした結果が引き金となったというのは単に引き金に過ぎず、やはり時代の流れ、運命のようなものだった気がするように感じるようになった。
 エステルハージに行けたのは運が良かった、全人類的に。でも、それまでに積み重ねた素養と才能は、そうできる下地があったことも奇跡的なことだった。
 ハイドンほどの才能が長い時間じっくりと音楽だけに集中し、熟成する環境ができた。
 バロック的な響きから(事実ハイドンの生まれたときヴィヴァルディもバッハも活躍していた)からモーツァルトの死を見届けベートーヴェンに弟子入りを懇願されたハイドンは時期的にバロックからロマン派への流れそのもの。古典派の作曲家ではあるけど、でも後期のパリ・セット以降はロマン派の香りがしてくる。
 長旅だったけど楽しかった。

 演奏はと言うと、割と早めに録音した「太古連打」などは響きの操作した跡がちょっと耳障りだけど、それ以外はモダン楽器の響きで昭和に時代に慣れ親しんだハイドンに響きに近く、かといって巨匠達の響きのように厚ぼったくもなくピリオド的に颯爽と演奏しているのは聴いていて違和感もなく心地よかった。
 中には激しい表現も聴けたり、熱い情熱を感じたりするのも曲相応なのかも知れないし、、でもこれだけのレベルを保ちつつ全曲をやり通したのはお見事だったと思うのは、聴き終わったあとの充実感がずっしりと心に残るからなのです。
 いい仕事をしてくれました。ハイドンと一緒だった2週間、楽しかったです。

by yurikamome122 | 2015-04-07 06:21 | 今日の1曲