アバド指揮、シカゴ交響楽団ほかで、マーラー作曲、交響曲第2番「復活」

c0021859_17392950.jpg アバドが私の前に颯爽と登場したのがこの録音だった。シカゴ交響楽団とのマーラーの2番。流麗に流れる音楽の綾が優美に交錯して紡がれる。そこにしっかりと注がれた熱い情熱とパッションは、アバドの場合たとえばメータのようにドロドロとうねり流れるようなものではなく、気品を感じるような知性があってスマートでスタイリッシュ、そしてこの頃の録音にはその上に若々しい清澄さがこの演奏を更に魅力的なものにしていたし、実際マーラーのこの曲はこういう曲だと思っていた。
 優美にデリケートに旋律が歌って、舞い上がったり激情を湛えたり遠くを見据えたりしながら、どんな時も音は、響きはあくまで明晰。
 しなやかな音楽は一つ一つ心のヒダがクッキリと刻み込まれながらドラマティックに演奏を盛り上げる。またこの頃のシカゴ交響楽団の響きの魅力的なこと。
 この世界観は圧倒的に説得力があったし、今改めて聴いてみて、やはりとても魅力的だった。
 この曲がアバドで初めて録音されたのはたぶん70年代の終わり頃だったと思うけど、あの頃、マーラーを演奏する指揮者はこのアバドとメータと征爾さん、それからレヴァイン。ハイティンクは全集の存在は知られていても日本では手に入らなかったし、後は若い頃のバーンスタインとクーベリックの演奏くらい。若手指揮者の仕事だったマーラー演奏は、若い、熱い情熱に満ちた音楽だと私は勝手に思い込んでいて、だからこそあの時代の彼らの演奏のあの「原光」がとても魅力的にきこえた。だからこそあの頃私にはクレンペラーの演奏があまり魅力的ではなかった。
 最新のアバドの晩年の録音はもちろん凄い説得力なんだけども、そして私のマーラー像も、この曲への印象も変わったのだけども、やはりこの演奏は今でも私にはあの頃の想い出とともに、今でもあの頃と同じ熱いものが胸の奥からこみ上げるあの感じとともに、そしてこれからもたぶん一生この演奏に魅力は消えないんだろうなぁ。

by yurikamome122 | 2015-06-24 17:39 | 今日の1曲 | Comments(0)