プリアンプの製作 その3 使用するコンデンサに関して

 コンデンサの選定については、容量の大きいものに関しては電解コンデンサを使わざるを得ないのだけど、ブロック形の大容量のものは選定の自由度がないので、基板上の縦型の電解コンデンサで、いくつか聴いた感触でニチコンのMUSE-KZとしたのは一番シャープな感じがするからで、MUSE-FGは中域の押し出しがよいという話もあり、聴いてみたところ、低域の量感もなかなかよろしく、滑らかでシルキーな中高域はそれはそれで魅力的。あと、シルミックも好かったけども透明感と奥行き感の再現性など個人的好みでKZとした。
 ただ、正直言って電解コンデンサのエージングは半月くらいではまだまだのようで、これからその後にどう音が変わるかは、実際に搭載したMUSE-KZ以外はよくわからない。
でも現在MUSE-KZは低音の締まりと高域の透明感、パンチ力と空間再現力では大変に満足をしているのは事実です。

 それからフィルムコンデンサは、特にカップリング用の10µFは売っているものだとASCとか、WIMAのMKS位しか手に入りにくく、あとは安井式純正のシーメンスのMKMを絹糸で締めたヤツ。
以下、聴き比べの結果。シーメンスのMKMは現在手に入るのが6.8µFが最高なので、これで試してみる。

ASC X335 200V 10µF
 雰囲気もよくでていてカチッとした音、エージング後には透明感が向上。

WIMA MKS 63V 10µF
 こちらの方がASCよりも更にスッキリした印象で、音が前後に拡がる。音像もシャープで好感が持てる。
 エージング後は更に空気感を感じるようになった。

糸締めシーメンスMKM 250V 6.8µFc0021859_652322.jpg
 これがもう大変で、何がって作るのが。電極の大きさよりもやや小さく切り抜いたグラスエポキシ樹脂でコンデンサを挟み込み、プライヤーで握りしめながら絹糸を200回巻く。プライヤーを握る左手がだんだん感覚が麻痺してくるほど大変。
 記事中にどれくらい巻いたらいいのか、どれくらいの聴力で巻いたらいいのかハッキリなかったので、とにかく力任せでガンガンやって、できあがったコンデンサは、写真で判るとおり真ん中が多少凹むくらいになったが、これをエポキシ樹脂で固める。
 1日2個作ったらもうたくさん。
で。その結果はといえば、中域の実在感がないというか、ピアノタッチのアタックや弦のピチカート、シンバルやドラムのパンチはやたらと強く感じるのだけど高域も中域も何か前に出る力強さがない、かといって低域もドスンと来ない。
 が、10分も聴いているうちにそうではなく、全体に歪み感がなくなったせいで、分解能が格段に上がり、そして音域の強調がなくなったせいで今まで張り出していた中域がナチュラルになっただけ。なんと言っても音場感の出方は目覚ましい。低域は締まりがあって、バスドラムの張り具合やダブルベースのピチカートなんかもピシャリと決まる。量感がないのではなく今まで聴いていて「ドスン」は何か余計なものがあったような気がする。音の決めの細やかさとしなやかさ、そして柔らかさは断然こっち。
 これを聴いてしまうとWIMAのMKSはずいぶん荒っぽく音が濁ってきこえる。ASCは更に詰まった雰囲気。
 ただ、あくまで糸締めシーメンスMKMに比較しての話。
 ていうことで、もうこれに決定。容量の不足分は2パラにし13.6µFにすることで解決。
 それにしても、このコンデンサを作るのは大変。でもそれは報われる。

 ちなみに値に関しては、安井式オリジナルが10µFなのだけど、値を変えたらどうなのかと言うことで、徐々に2µFまで減らしてみた。これで大体カットオフが安井式の470kΩとすると0.18Hzなので全然問題ない。
 が、しかし音の様相はずいぶん変化してくる。糸締めシーメンスMKMで可能な6.8µFにすると、身体に感じる音圧感が全然変わってしまう。2µFにしたら、これはもう店先でよく聞くようなあの音場。カチッとしているけど臨場感では6.8µFに全然劣る。10µFでは包み込まれるような雰囲気が素晴らしい。
 今度はどんどん増やしたらどうなるかと言うことで、50µFまで大体10µFづつWIMAのMKSで試してみたその感じの改善は大体30µF位までは改善の変化が認められたけども、それ以上になるとあまり感じられなかった。
 カップリングコンデンサはやはりない方がよい、DCアンプ(つまり直流まで増幅できるアンプという意味で、たとえばサーボをかけるなどと言った手法でカップリングコンデンサを排除するとか言う意味ではないし、金田式という意味では全くない)の優位性はここにあったワケなんだと再認識。
 ちなみに、信号ラインというものを勘違いしている話をよく聞くので、ちょっとここでの考え方をハッキリさせておくと、負荷に並列になった部分に関しては、その並列部分の先はたとえばアースに落ちるので、音としては影響はないと思っている話をよく聞くのだけどそうではない。並列分の差分として直列分にはその歪みが影響するので、結局は直列部分に挿入したのと同じ影響があると言うこと。たとえばサーボをかけるとドリフトを初段に戻すの事になるのだけども、そのドリフト分はローパスフィルターによる。そのローパスフィルターは音質に影響すると言うことを認識しておく必要がある。

by yurikamome122 | 2015-07-06 12:53 | オーディオ