ベートーヴェン「第9への道」番外編、「第9」と双子の幻の「交響曲第10番」

c0021859_13453131.jpg そもそも「第9」はロンドン行きのためのみならず、ベートーベン自身の作曲の特性として並行して2つの交響曲を書き進めるというのもあって、第10番のスケッチらしきものは1822年あたりから見えてきているけども、1822年の暮れにロンドンのフィルハーモニー協会から新しい交響曲の作曲を委嘱される。ニ短調の交響曲とシラーの頌歌「歓喜に寄せて」に基づく「ドイツ交響曲」として並行して作曲された。
 そして作曲を進めながら締め切りに間に合わなくなってこの2曲を合体させて現在の「第9」の形になったというのは金子建志さんがある本で書いている。、
 で、合体する前の構想はというのは井戸端会議のおばちゃん的には大変興味があり、そして他人の寝室をのぞくような下品なことであるというのも承知の上で、ガーディナーの言うところのドキュメントとしての研究成果でもよいからぜひ触れてみたくなるのが人情であって、かくしてイギリスの作曲家でオルガニスト、音楽学者であり、ベートーヴェンの研究者であるところのバリー・クーパー博士が1990年に補筆完成させた。
 いつの間にか手元には3種類の録音があるけれども、これまた不思議なことに全曲完成されているはずなのに揃って第1楽章しか録音していない。
 駅のKIOSKでなぜか文庫本と一緒に1000円で投げ売りされていたウイン・モリス指揮のものを再び聴いてみたが、ほかのウエラー盤や時々芸大フィルに登場するボストック盤よりも立派な響きがするのだけどその演奏は、というか曲もユルい。
 メンデルスゾーンの出来損ないのようなこの音楽からはとても晩年のベートーヴェンの境地からはほど遠いと思うし、話の種に一度は聴いてもいいけれどと言うたぐいのもの

by yurikamome122 | 2015-12-15 07:00 | 今日の1曲 | Comments(0)