金田式DACその後

 金田式DACが、もちろんそれだけでも充分過ぎるくらいクオリティーと見通しのよい音なのだけれども、音の洪水と言えば聞こえはいいのだけども、居酒屋の酔っ払いのような押しの強さともう一息抜けきらない立ち上がりの若干の弱さ、それから出てくる音の刺激をなんとか抑えられないかと改造を試みる。
 さんざんノイズ対策を試みたOP-AMPのI/V変換回路にも僅かながら及ばなかったことからノイズ対策をと言うことで、インダクタを各所に挿入。具体的には、①.DACチップからI/V変換に入るまでではアースラインに、それから正負の出力にはコモン巻きのコイルを挿入、②.電源回路からのノイズの回り込みを防ぐために、アースを含め正負電源ライン、③.S/PDIF入力のコールド側。
 合わせて、S/PDIFには必要帯域外の高周波をカットすべくハイカットフィルターを入れてみた。
 これだけいっぺんにやってしまったので、どれがどの効果かわからないけれども、雰囲気一変、居酒屋の酔っ払いは居なくなった。というか、活気はあったが騒々しい居酒屋が、美味しい酒と新鮮な素材の味を楽しめる小料理屋になったような感じ。高品位で透明、音の手触りが柔らかくなり、滑らかできめが細かくなった。パンチを感じる前へ出てくるような音だったのが、奥へ拡がり前後感が随分出た、そのパンチが前だけに出るのではなく、上下左右前後にエネルギーが放射される度合いがかなり増えたように聞こえる。ソースによっては部屋の壁が抜けたのではと思うようなパースペクティヴが出せるようになった。
 で、でも奥行きが広かったのは良かったとして、安井テイストにはまだ及んでいないのは、この金田式DACは改造前から元々部屋一杯に拡がっては居るのだけれども、その濃さが安井テイストには若干劣るのだったのが、かなり改善されては居るけれども、まだもう少し。そしてやはりまだ少し騒々しい。音の刺激は随分なくなって自然な、部屋とホールが溶け込むような音になりなかなか良いのだけども、パキーンとパワフルなダイナミックさでは今一歩、と言うのは厚めの音と言うよりも、たとえばピアノのヤマハ特有の「キーン」というアタックやスタインウェイの雄大な低音を伴った立ち上がり、オーケストラでのハードスティックのティンパニの鮮やかな「ターン」という感じが安井テイストに比べて若干弱い。そのせいかどうか安井テイストに比べると弦のユニゾンが平面的。録音したホールに溶け込むようなヴィヴラートが今一歩。結果リアリティーでは劣る。フルトヴェングラーのバイロイトの第9ではモノラル録音でありながらバイロイト祝祭劇場の広さを感じるはずが、パワーはあってもそのあたりを感じることができないし、もともと多すぎる人数の合唱の歌詞がやや不明瞭。
 それに、オーケストラの、特にシューマンのオーケストレーションの聞こえにくい音の塊の中の木管と金管がハッキリと判別が難しい。拍手が立たないのは大幅に改善されては居るのだけど、今一歩。中域はなかなか厚いのだけども、もう少し分離が欲しい。
 まぁ、これでも充分すぎなのだけども、部屋の壁が全部なくなってホールになったかと思うようなアンビエンスを再現する安井テイストを聴いてしまっているとやはりねだりたくなるわけですわ。
 次はデジタルの部分を少しいじってみる。

by yurikamome122 | 2015-10-29 17:48 | オーディオ | Comments(0)

金田式DACがやってきた

 金田式DACがやってきた。DACチップはTexas InstrumentsのPCM1794、I/V変換はもちろんこれがウリだけど金田式DCアンプ。c0021859_15565635.jpg
 パーツは全てオリジナルの指示通り、純正に近い金田式。
 今まで使っていたのは某オーディオショップのキットで、DACチップはWolfson WM8740で、I/V変換はTexas InstrumentsのLME49710だったものを安井テイストのシンプルなものに変更して改造している。安井テイストのI/V変換回路は、MJ誌11月号に安井先生が御自ら紹介しておられるもので、回路図のみ勝手に転載。もちろん安井先生の設計です。
 なんで私がそれを使っていたかと言えば、安井先生から少し前に直接おわけ頂いたからに他ならないわけで、盗作でも何でもありません。
 先ずはそのままの聴き比べ、金田式と言えば泣く子も黙るので大変楽しみであった。
 音出しの瞬間、先ずは押し出しの強い、パンチのある豪快な音になるほどと思いながら聞いていると、スピーカーから音が飛び出すような躍動感も聴けてとにかく迫力が凄い。
 が、しかし音が名人のチャーハンのように一粒一粒立っていない。シューマンのあの奇っ怪なオーケストレーションの豪快に鳴るオーケストラの中で弦や管をなぞっている木管が明確にきこえてこない。そしてピアノタッチがキーンと立っていない。アムステルダムのコンセルトヘボウ大ホールで残響の中に融けるように優雅に響くはずの弦のヴィヴラートがきこえない。
 そして、拍手が拡がらない。改造DACできこえた空気感がやや薄いのですよ。(当社比)
 再び改造DAC安井テイストに戻してみると、結構これはこれで豪快ではないかと。なぜ金田式の方が豪快に聞こえたかは押し出しが強く、音が前に出てきたからで、安井テイストは個々の音と空気がそこにあるように鳴るので大きな音が鳴ってもうるさくはないし、迫ってくると言うよりはリアリティーがある。
c0021859_15581933.jpg 改造DACは電源もI/V変換回路も全てNON-NFBであることも影響があるとは思うけど、でもこの安井テイストのI/V変換回路を導入する前は先にあるとおりのOP-AMPで、様々実験でノイズ対策を施していたのだけど、もう少しいろいろな音が聞こえていた。
 OP-AMPでも結構イケると言うことを実感。(当社比)
 そして、先ずはノイズ対策であることも実感。 c0021859_15595471.jpg

by yurikamome122 | 2015-10-26 16:01 | オーディオ | Comments(0)