ブロムシュテット/ゲヴァントハウス管弦楽団のブラームスの2番

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 この前ベルリン・フィルに客演したときのブルックナーを聴いて、コンサートレビューに「ブロムシュテットは老いた」なんて言ってしまったけど、そんなことはなかった。これは凄い演奏だと思う。
 今年発売されたこの録音は、2019年の録音なので、この演奏自体はもう既に2年前ではあるのだけど、そうそう、ブロムシュテットはこうでないといけない、こうなんですよ、こう言う演奏をするんですよ。
 90年のこの指揮者の経験の正しさと歴史が音楽に反映されていると思うのは、実はこのコンビのこの曲の演奏はブロムシュテットがゲヴァントハウスのカペルマイスターだった時の録音もあって、それが今までこの曲の個人的デフォルトであったのだけど、これはそれどころでは無い、以前とは比べものにならないくらい充実度が増している。
 スケールが大きく開放的で伸びやかなテンポ設定で、全てに表情が付いている。様々な音符が、音楽にノリにのったオケの各奏者の勢いでそれぞれ自由に演奏しているように感じるくらいにどのパッセージにも活き活きした表情が付いていて、そんな活きのいい音楽をみんな自由に楽しそうに演奏しているようでありながら、それが全体で完全に一つの方向に向かっている、まるで指揮者を無視してオケが自発的にそこに向かって演奏しているようにきこえてしまう、それくらい自然で、だからこの流れにつられて大自然の中で呼吸するように安心して音楽に浸れる。これが私が個人的にブロムシュテットの凄さと思うところであり大好きなところでもあるのですよ。もうかれこれ30年近く前、ドレスデンのシュターツカペレとブルックナーの4番を録音したときのレコ芸の月評子だった小石忠夫さんの批評で、「指揮者不在かというとそうではなく、50代にさしかかったこの指揮者の演奏設計である」というような事を書いていたのを思い出すけど、この演奏もまさにそれ。
 そして、そんな70人の一人一人の個性が光る名手の集団の自発性を全て一つの方向にまとめて成果を出す奇跡を起こしながら、更にこんな高齢者でありながら、年寄りの演奏にありがちなグリップが緩んだようなユルユルの演奏やオケの個性との違和感(ワルターの指揮したシンフォニー・オブ・ジ・エアの「エロイカ」や、まさにブロムシュテットが先だってベルリン・フィルに客演して演奏したブルックナーがそうだった)、深い代わりにテンポ設定やらフレージングやら呼吸やらのとっつきにくさが全く感じない。音楽の流れが自然で神経質さも息苦しさも全然ないので、いつの間にか音楽の呼吸と自分の呼吸がシンクロして、自分もこの音楽の世界で一緒に参加している気分になってくる。こんな演奏を待っていましたよ。
 これって、かつて80年代、この人のドレスデン時代、あの奇跡のようなあの当時のシュターツカペレとの演奏を聴いていたときにことごとく感じていたあの感覚そのもの。思い出せばあの頃、こんな気分にさせてくれるコンビは他にハイティンクとコンセルトヘボウ管弦楽団とかカラヤンとベルリン・フィルとか、2800円の新譜を買うのに結構悩んだくらいレコードを聴くのが楽しかった。そして買った演奏は何度も何度も聴き返した。このコンビも今、この地上に確かに現存する音楽の奇跡を約束してくれる。齢90を超えたブロムシュテットに、ブロムシュテットその人になってくれるオーケストラがあったことが今とても嬉しい。
 カップリングの大学祝典序曲、自分の中では聴き始めの頃から旺文社の「ラジオ講座」のテーマ曲と言うネタでしかなかったけど、驚くくらいもまるで交響詩のように雄弁で、こんなにワクワクして聴いたことなかったなぁ。演奏会の冒頭にこんな演奏では、もうこれだけでブラボーになりそう。
 日本のサイトではチクルスと書いたのは見たことはないけど、どうもこれはチクルスらしいので、この完結は是非期待したいし、あとメンデルスゾーンの「スコッチ」、これも録り直してくれないかな。
 そんなわけで、全曲聴き終わったけど、ウキウキが止まらずもう一度このCD、「おかわり」を所望、始めから聴き直そう。
 誰かこれをネタにリモート飲み会やろう。


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# by yurikamome122 | 2021-12-09 20:39 | 音盤レビュー | Trackback | Comments(0)

ベルリンは広範囲にわたる閉鎖と規則の強化を準備しています

ベルリンでも既にワクチン接種証明か罹患証明がないと交通機関にすら乗れないという事実上部分的ロックダウンに突入していると言ってもいいのではないかと思うのだけど、それを更に強化しようと言っている。
ドイツの新政権への移譲と重なり、メルケル前首相とショルツ新首相の、恐らくは政治的バックボーンもあってかスタンスの違いにより、ここ数日の記事は混乱しているように思う。

南アフリカで見つかったというオミクロン株に関しても、心配はしているのだけど、でも、どれくらい大変なのか報道されていない気がする。

また、感染者や死亡者なども報道されてはいるが、母数がハッキリしないので程度が分からないのが困ったものだと思う。

個人的な関心事は、12月17日にフィルハーモニーで行われるメータのマーラーの3番が聴けるのかどうかなのですよ。




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# by yurikamome122 | 2021-11-30 23:36 | おぼえがき | Trackback | Comments(0)

夜眠れないくらい次々音楽を聴きたくなってしまったアンプの改造

以前にパワーアンプのカップリングコンデンサを交換したら面白いくらいいろいろと聞こえてきてしまい、それを更に手持ち部品でブラッシュアップ。
何をしたのかというと、まずカップリングコンデンサを更に容量アップ。WIMAのMKS-4というポリエステルのフィルムコンデンサは耐圧が63Vで10μFと言うのがあり、リードが磁性体なのでモールドを紙やすりで擦って電極を露出させて導線を半田付けしものをセラミックコンデンサに代えて組み込んでみた。
ここ、鉄だと不思議に曇った音になるばかりではなく、「ヒュイーン」ていうようななんだかヘンテコな音になってしまう。
メーカーのデータシートではESR可聴帯域では1Ω越えになりそうな気がする、ので、音がMKSよりも良い(はずの)デイップマイカコンデンサで手持ちが910pFがあったのでそれを並列にする。これで1kHz以上の可聴帯域ではESRはデイップマイカの方が低い(たぶん1/10位にはなっていると思う)ので、これにより計算上は1kHzくらいから上はマイカコンデンサが効いて来ることを期待している。

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更に、秋葉原のどこかで買ったアダプタの電源コードに、これも秋葉原の確かラジオデパートの3階だかで確か500円で買ったフェライトコアに電源ケーブルを巻き付け、つまりバイファイラ巻きのフィルタを作り(これは結構効くのですよ)、そして電源の出力もノイズフィルタを挿入。以前の実験用DAC制作時に作ったのと同じものを入れてみる。FFTで見ようかと思ったけど引っ越し前で面倒なのでやめて、いきなり実験。

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やはりセラミックコンデンサの時に比べて艶やかさは無くなったけど、その代わり鮮度と空気感の再現力は2Hzの時よりも全然いい。そして重低音を感じるためにスケール感も大幅アップ。コントラバスのピチカートが、歯切れ良くズシンとくるあたり驚く。
1Hzなんて5㎝のフルレンジでは絶対でるわけのない音だし、第一出たとしても聞こえるわけのない音なのだけど、不思議だよね。
ところであの艶やかさは、やはりセラミックコンデンサの音だったんだ。オーディオ用だけあってセラミックコンデンサのキンキンする感じは随分押さえてあったけど、やっぱり色づけだったわけだ。

それにしても、机の上に間隔60㎝でセットした5㎝フルレンジスピーカーの間の奥行き・上下感を感じるコンサートホールのステージの中に、鮮やかにきめの細かい響きの綾と粒立ちに立上り。音符たちが響きや表情を手を替え品を替え目の前でいろいろは事をしている。ここは、ここで、こう来たかと興味が尽きない。おかげで夜寝ている場合ではなくなってしまう。

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# by yurikamome122 | 2021-11-30 22:03 | オーディオ | Trackback | Comments(0)

たぶん、ドイツで一番うまい料理

「シュバイネハクセ 」(Schweinshaxe)
これほどビールがうまいと思える料理もないのではないか?。
近くのスーパーで4ユーロのお買い得ドイツで個人的に最もうまい料理の一つと思っている
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# by yurikamome122 | 2021-11-21 05:44 | 旅行・グルメ | Trackback | Comments(2)

今日のフリマでの戦利品

今日のフリマでの戦利品。
レヴァインのモーツァルトは個人的にはイマイチ。ベームの全集の方が好みかな。
ケーゲルのベートーヴェン、マズアのスコッチはなかなか良い。
内田光子のモーツァルトはもちろん鉄板。
征爾さんのカルミナはイマイチだった。
グリモーのバッハは未開封のまま50セントで売っていたので、気の毒になって買ってきたが、これは好みの演奏でなかなか良い。
〆て4ユーロのお買い物。
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# by yurikamome122 | 2021-11-21 05:32 | おぼえがき | Trackback | Comments(0)