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ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件

ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_03255292.jpg 先日フリマでゲットした旧東ドイツのドレスデン・フィルを指揮したケーゲルの「エロイカ」が個人的に自分の思っている「ドイツらしい響き」で嬉しかった件。 ケーゲルというとピストル自殺とか、「幻想交響曲」でお寺の梵鐘を使ったお化け屋敷のような5楽章とか、ノーノの曲での切実な佇まいなど、個人的印象では猟奇的とまでは言わないけど不気味さを孕んだ指揮者という認識ではあるのだが、そんなことはない。渋く味わいのあるオーケストラを存分に歌わせて、久しぶりに「エロイカ」を聴いたと言う気にさせてくれた。この曲はいい曲だ。
 で、ここで出てしまった。悪いクセが。
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ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02143275.jpg その路線ではと思いブロムシュテットのドレスデン時代の演奏を聴き、これがまたシュターツカペレ全盛期の響きが素晴らしく、勢い余りデイヴィスを聴いてみるとさすがの貫禄とこれがまた。しかしながら、演奏がイケメンのくせに硬派な佇まいを見せるブロムシュテットに個人的には紙一重で1票。「男は黙ってサッポロビール」。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02144841.jpg ブロムシュテットと言えばゲヴァントハウスの新録音がある。私としては最近やっと耳慣れてきた古楽演奏のテンポを、この指揮者特有の優美なフレージングと伝統あるこのオーケストラの個性で行うことで、伝統と風格が加えられて、透明で洗練された古楽奏法の意味を再認識させてくれる。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02152631.jpgケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02153725.jpg ところで一昔前はゲヴァントハウスと言えばマズアだけど、新録音は貫禄のある大きな構えの響きの立派さもさすが旧東ドイツで№1だけある。しかし、オケの響きの味わいで行けば旧録音も捨てがたい。
 ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02145994.jpg更に遡るとコンヴィチュニーの正調ベートーヴェン、まさに有無を言わせない荘厳な貫禄で聴かせる演奏も今時ではないが響きの説得力は強烈で、この演奏はマズアどころではない。いつの間にかその手に乗ってしまい聴き惚れて通してしまった。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02161789.jpg しかしながら今更ながらこの路線で一番しっくり腑に落ちて聴いてしまったのは、スウィトナーがベルリンのシュターツカペレと入れたヤツ。編成を刈り込んだような響きなんだけど、かといって古楽演奏とは一線を画し響きの豊かさは保たれて痩せていない。それでいて誠実さを感じる演奏が、ベルリンのシュターツカペレのやはり伝統を感じる美しい響きで具現されていて、聴き終わった後の心に味わい深い印象と名残惜しさを残してくれる。ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02163191.jpgこの後に東西ドイツ統一直後にバレンボイムがこのベルリンのシュターツカペレと入れたものは、まだスウィトナー時代の響きを保ちつつ、重量感と貫禄と勢いと、バレンボイムの聴かせ方でこれも面白かった。でも、スウィトナーの後だと率直さに欠ける、いやスウィトナーが工夫が足りなくきこえるとも言えるけど、イヤイヤ、案外細かく聴くとなかなかどうして、スゥイトナーも丁寧なものですゼ。だからこそ分かるような工夫などしなくとも最後まで味わいで聴かせる、これは絶品の十割そばのようなものですよ。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02165333.jpgケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02173838.jpg ベルリンと言えばもちろんベルリン・フィル。これが旧東ドイツのオケとはガラリと印象が違う。で、やはりカラヤン、の前にクリュイタンスを聴いてみると、これが流麗で明晰でモダンな演奏を、ドイツの王者の響きのさすがの貫禄のベルリン・フィルを駆使して現していて耳が洗われる。ほぼ同じメンバーで行われているであろうカラヤンの2回目の全集からの演奏はよりスポーティー。しかしながら第2楽章の湧き上がるようなスケール感は魅力的だと思う。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02175230.jpg これら2種はよく言われるようにフルトヴェングラー時代の、旧東ドイツのオケに似た香りがする演奏で、70年代に入るとクーベリックはこの指揮者らしくディテールにこだわった彫琢の行き届いた丁寧な演奏で特に2楽章は印象深く名演だと思う。ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02172575.jpgケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02170669.jpgカラヤン3度目と4度目の全集ではもう・・・・語り尽くされたこれらの演奏は、好き嫌いはあるとしても、でも聴けば圧倒的。やはり正当に評価されるべき立派なもの。だけど個人的には「交響曲」というよりは、半分「交響詩」といいたくなるような演奏ではある。
ケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02191741.jpgケーゲルの「エロイカ」が「ドイツらしい響き」で素晴らしかった件_c0021859_02181058.gif で、フルトヴェングラーはテイクによって雰囲気が違いすぎなのは時代背景もあり仕方がなく、また戦中、戦後では響きが違うのはとても気になるのだけど、それはさておき、やはりベルリン・フィルはベルリン・フィル、他のドイツのオケとは一線を画するのはこの時代から続いている。だけれど、フルトヴェングラーの演奏は聴き手に違うものを更に要求する。
 これらの中では、この曲から麻薬的な聴く快感に溺れさせるのはカラヤンの3度目か4度目の録音。また時代的な文学的知識を前提に、その時代の疑似体験をするのであればフルトヴェングラーの1944年の録音はウィーン・フィルであるけれどもやはり何か憑き物が憑いたような印象。でも文学的な印象を求めず、音楽的な時間に浸るならスゥイトナーかな。
 エロイカばかり朝から16種類、更にミュンヘンなどの他のドイツのオケやウィーン・フィルなどヨーロッパのその他の演奏やもちろん我が国日本、アメリカなどの演奏も次々興味が尽きないのだが、理性が「よゐこの時間はもう終わり、そろそろいい加減に寝なさい」というのでいい加減にします。


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by yurikamome122 | 2021-12-29 03:58 | 今日聴いた曲 | Trackback | Comments(0)

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