
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2021年10月演奏会
公演日:2021年10月02日(土)
開場:18:00
開演:19:00
会場:フィルハーモニー
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ブルックナー:交響曲第5番
途中休憩なし
座席 左側Dブロック1列2番
何せ曲が曲だし、オケがオケだし、指揮も指揮だし、期待するなという方が無理というもので、6月に聴いたこのコンビのシベリウスにブラームスがいろいろな気づきもあり、それになんと言ってもこのブロムシュテットには91年だったと思う、ブルックナーの4番やブラームス、モーツァルトなどで忘れられない、今でも鮮明に覚えているもの凄かった演奏がある。
ホールに向かい、コロナ・チェック及び、ワクチン接種のアプリの確認に、チェックインの操作を行い、開演1時間前にホールに着いたけど、それらの手続きに時間を取られて入館は開演20分前となってしまった。
今回は前回と違い、バーも売店も開いている。全席売り切れの満員盛況だけど、その年齢層がどうも40代の後半以上が多いように思える。1週間前に行ったコンツェルトハウスのブルックナーの2番とは随分違う年齢層だった気もする。
案外、みんな私同様か、それ以上の年代の人にこの指揮者の支持者が多いのかと。旧東ドイツ時代のドレスデン時代の彼を慕っている人なのかなと。つまり、今回の客席はかなり高齢化している印象だった。事実、4楽章の途中で倒れる人まで出た。
は、さておき、オケは、14-14-13-11-7だと思う、冒頭からビブラートなしの透明な響きで、ビシッと決まったまるで一つの楽器が奏でているようなピチカートもさすがにベルリン・フィルだと思う。弱音でも失われない響きの透明感と強力なブラスセクションに負けていない弦楽器群もさすがで、この安定したトルクは世界の超一流だと思う。特に金管の弱音の美しさは素晴らしかった。未だにカラヤン時代のあのDGの録音を通して聴いたあの音が、響きが目の前で鳴っていた。
そんなオーケストラのせいなのか、それともオーケストラのどの楽器も目で見えるような客席の配置のこのホールのせいなのか、それともブロムシュテットの指揮のせいなのか、とにかくいろいろなことが起こっているこの曲の、音符がいっぱいで響きが厚いこの曲で、その中から一つ一つ、まるで手に取るようにいろいろな音が聞こえてきた。
割と快速なテンポ運びの演奏でもあり、それでいて小径の脇の花や、突然開けるパノラマを前にするような、全く暇になることのない、まるで様々変化する森の散策のように楽しいひとときでもあり、これが、この道程がブルックナーを聴く楽しみだと思う。そして、改めて、今更ながら各楽章の主題の関連性とか、その変化とか、極めつけは4楽章のフーガの、あの執拗に折り重なる主題がやがて発展してゆき、救済に至る道のりは鳥肌ものだった。
ラストの大轟音の中上昇音型のトランペットのファンファーレに送られて天に昇るあのかすかに聞こえるフルートも、ここはまさにこうあるべきと思う。
終演後はカーテンコールで、ステージに戻ったマエストロに客席とともに拍手を送る天下のベルリン・フィルの面々たち。まだまだ続く拍手をする帰らない総立ちの客席に応えて、オケの引いたステージに一人カーテンコールに応じる老巨匠の人気の高さと客席の興奮は凄まじかった。
でも、でもなんですよ。ブロムシュテットは老いたなって思う。演奏にエッジが甘いのですよ。呼吸感が緩いのですよ。
もちろん立派な演奏だし、様々な新鮮なことも多かったけど、ブロムシュテットはこうではなかった。もっとフレーズが穏やかに優美に響いていたし、アインザッツも様々な表情でビシッと決まっていたはずだ。それに、ブロムシュテットはドレスデン時代からもっとディティールにこだわった、きめ細やかなツメの細部まで行き届いた中で、その神経質さを全く感じさせない、響きの秩序を支配する指揮者の存在すら消してしまうくらい自然に、おおらかな全体の響きや流れで音楽を聴かせていて、その人為を全く感じさせない流れのせいかどうか、もっと内面的な表現の幅が今回聴いたより10倍くらい大きかったはずだったと思う。
特にブルックナーでは大自然の秩序を感じさせるようなその緩急と流れの息づかいに自分の呼吸がシンクロしたときに、ブロムシュテットの演奏は、聴き手のインスピレーションを刺激して奇跡を目の当たりにしたような体験ができるはずなのに。でも、その行き届いた印象がなかった。ブロムシュテットのコントロールが行き届いているようには聞こえなかった、少なくとも私には。
曲が曲だけに、オケの威力もあるだけにズシリとくるのだけど、でも、そのコントロールの隙に、ときおりカラヤンやアバドが見え隠れしている。
確かに4楽章の最後は立派でしたよ。もちろん感動もした。いや、凄かった、涙が出るほど。
それが何か?。だって、ブロムシュテットでなくともこんな体験はできるんだよね、この曲では。
これはブロムシュテットではないなぁ、残念ながら。



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