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身近にまで詰め寄ってきた武漢発の新型コロナ、失ったものと残されたもの。ブラームス、ドイツレクイエム

身近にまで詰め寄ってきた武漢発の新型コロナ、失ったものと残されたもの。ブラームス、ドイツレクイエム_c0021859_02380103.jpg 12月10日、とうとう身近に武漢発の新型コロナ感染者が出た。私の住んでいる地区では人口10万人あたりの新規感染者発生数が200人を超え、一番厳しい「RED」レベルに設定され、また残念ながら、学校の一部の職員に感染者が出た。従って一部は学級閉鎖に追い込まれ、それはクリスマス休暇(日本で言う冬休み)の始まる今週末以前に解除されることはなく、またそのクリスマス休暇も延長される公算だ。また、閉鎖された学級の生徒は自宅から外に出てはいけないらしい。
 依然ロックダウンは続いていて、さらに今月に入り制限を強化しているにもかかわらず感染者は増えているという現状からして、メルケル首相の危機迫る表情は現状をさらに緊張を高めている。
 現在はスーパーマーケットなどの小売店の営業は平常通り続けられているが、それも制限する必要性まで議論をされている、というか、議論の余地なく制限すべきという強硬論が増えてきた。
身近にまで詰め寄ってきた武漢発の新型コロナ、失ったものと残されたもの。ブラームス、ドイツレクイエム_c0021859_03590683.jpg クリスマスというのはこちらの家庭においては何より特別な季節であるらしく、日本の正月のように国民こぞって祝う時期という印象だったが、そうでもなく、いやそれ以上、大人もこぞって子供になり家族や親類と無邪気に時を過ごし、年に一度の大切な思い出作りをする。だからそれこそ街のあちらこちらにクリスマスツリーを販売しているところがあり、飾り付けのためのイルミネーションもスーパーの今週の目玉商品になり得るわけだ。連邦議会の議員が大真面目に「私の母に今年のクリスマスは皆が集まることは出来ないとはいえない」という反対意見を述べても失笑を買うどころか翌日の新聞記事に切なる庶民の声として紹介されている。メルケル首相も焦りを隠さず「もうクリスマスまで2週間しかありません。それまでに沈静化させなければ、自宅で家族が集まってクリスマスをしたとき、おばあちゃんがコロナウイルスにかかって亡くなると凄く悲しい。そうはしたくない。だから皆さん、人に会わないでください」と堅く握った拳を激しく振りながら、「夜のマーケットでグリューワインを飲まないでください」と胸の前で手を合わせて懇願するように疲れで落ちくぼんだ目で絶叫していた。
 今年のクリスマスが本当に風前の灯火と化している。しかし、メルケル首相はどうしてもそれを回避したいようだ。クリスマスをみんなで祝いたいので今、どうかこらえてくれと言っている。そうしないと悲しいことになると。失礼を承知であえて、この老婆が、拳を握りしめ、力の限り訴えているその姿は圧倒的だった。この握った拳は、絶叫は誰のため?。
 こちらでは病院はいよいよ医療崩壊も現実となりつつある。残念なことだと思う。これが人災でないことを願いたい。

 残された者の苦しみと、それを経て慰めと解放をドラマティックに歌い上げるブラームスのドイツ・レクイエム、冬空の寒さ・辛さに加え、武漢発のコロナウイルスの災禍に耐えながら、当たり前に楽しみにしていた例年のこの時期がなくなった現実の、幸福から取り残された割り切れない心情と理性の葛藤、慰め、そして静かな救済・解放。この武漢発の新型コロナ禍から早く救済・解放されますように。
 この曲を聴くとき、合唱のコントロールとリリカルなメロディーに曲全体のコントラストを鮮やかにするベースの動きは大切だと思う。そのベースには峻厳と聳え立つような、また決して動じないような確固とした響きがほしいと思う。合奏には色彩感よりも隈取りと立体感で緻密で精密な響きの綾のエッジを効かせリリカルな世界観を示してほしい。
 今のところのお気に入りは雄大なスケールのヘルムート・コッホ指揮の旧東ドイツ時代のベルリン放送交響楽団、合唱団の演奏。
 武骨だけど気高く、そして音色は単色的、楷書的でありながら響きのニュアンスが精細・絶妙で、響きと旋律の一体感が音楽をより印象的にさせる。
 そして、とても大切な合唱は何の変哲もなく平凡にきこえるくらい自然に、そして実はしかし精緻に処理されている。なぜ話題にならないのか不思議ではあるけど、でも自分だけでこっそり楽しみたいので話題になってほしくない演奏。
 ベルリンのイエス・キリスト教会での豊かに広がる録音も魅力的。

youtubeでアップされていたのでご紹介、1曲目と4曲目と5曲目を




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# by yurikamome122 | 2020-12-11 03:47 | 今日の1曲 | Trackback | Comments(0)

武漢発の新型コロナ、ヒタヒタとドアの隙間から鮮血が流れてくるように感染者が迫ってきた。

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 パンデミックという声も聴かれるベルリンではノイケルン地区というところですでに医療崩壊が近づきつつあり、病院間の患者の移送が行われた。また、自宅のあるウィルマーズドルフ地区では学校の教師に武漢発の新型コロナウイルスの陽性者が出た影響で学校はそのクラスでは数日間閉鎖、他のクラスはリモートとライブ授業のハイブリッド授業となった。クリスマスでさえ外出は避け、人との接触や集会を避けなければならないという話まで出ている。
 とはいえ、現在、多くの都市で、クリスマスの第2週末の土曜日、広場では多くの人がクリスマスブースの前に立ち、混み合ったワインスタンドの前に長い列とグループができている。法の抜け道を探しバーやレストランはこの日のために大金をつぎ込んだ熟成したワインを提供する。ドイツ人の半数近くは中止されたクリスマスマーケットの代わりとして楽しんでいる。
 こんな中、ドイツ政府ではワクチンの接種を促すべく様々な準備を進めている。

 この武漢発の新型コロナの大流行により学校が閉鎖されたため、12月1日以降、世界中で約3億2000万人の子供や若者が出来なくなり、世界中のほぼ5人に1人の学童に影響が出ているのだそうだ。これは11月1日と比較して、ほぼ9千万人増加した。

武漢発の新型コロナ、ヒタヒタとドアの隙間から鮮血が流れてくるように感染者が迫ってきた。_c0021859_19361435.jpg そんなわけで、不気味につぶやく低音で始まり、霊気が聴き手をヒタヒタと包むような弦のトレモロに、くっきりと冬の真夜中の冷めた夜空に鋭く輝く三日月のようなオーボエのテーマ、怨霊がうごめくような「未完成交響曲」の第1楽章でありまして、これはお化け屋敷の恐ろしさどころではない、もっと危機迫る、大きな首切りのカマを持った悪魔が音を立てずに真後ろから迫る世界そのもので、それがさらに恐ろしいのは目に見えず気配だけしか感じないところにあるわけで、そんな絶望の中、第2楽章で示される一縷の望みにかける切なさと残酷さが悲しくも恐ろしくもあり。
 この曲を聴いたのは多分中学校の音楽の時間だったと思うけど、中学生に学校の授業として「エクソシスト」や「オーメン」などを見せるような行為は、およそ国民の税金で思春期の多感な子供たちに学校聴かせるにはふさわしくない題材だと思う。
 そんなこの曲の一面をよりリアルに聴かせる演奏は東ドイツ時代のシュターツカペレ・ドレスデンをブロムシュテットし指揮したもの。
 シューベルトのウィーン的な歌謡性とは一線を画した辛口の伝統に根ざしたこの演奏が、危機(と認識されている)迫る、そしてあまり協力的とは思えない(足並みが今ひとつそろわない)ロックダウンに一縷の望みをかける昨今の今日この頃と共に味わい深く受け止めるわけです。

 写真は4年前の今日、はじめてのベルリンの朝に見た信じられないくらい美しかった森の樹氷。これが私のベルリンの印象を決定づけたのでした。




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# by yurikamome122 | 2020-12-08 19:38 | 今日の1曲 | Trackback | Comments(0)

ベルリンに残る第2次世界大戦の名残と武漢発新型コロナの影響と ラフマニノフの2番をプレヴィンで

 写真はベルリン市の中心部から北にあるフンボルトハイン高射砲塔。ここは戦後爆破されずにすんだ数少ないところ。高射砲塔壁面にあるえぐられた跡は戦争の名残。今はここでボルダリングの練習が行われている。高射砲塔なので景色もよく、そして麓の駅の地下鉄の入り口を入ると、階段の間にある扉、実はここ、今でも残る防空壕の入り口。武漢発のコロナがなければここは毎日数回地下壕ツアーがあったはず。実は去年、ここは入りましたぜ!。かなり面白いものが見られた。でも、後味としては「戦争はやっぱりよくない」だった。戦争から75年以上経ち、かつてのように有無も言わさず「戦争反対」と叫ぶ時代ではなくなってしまったけど、やっぱりよくないよ。
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ベルリンに残る第2次世界大戦の名残と武漢発新型コロナの影響と ラフマニノフの2番をプレヴィンで_c0021859_05150262.jpg 一見長閑な今日の午後は、満ち足りているようにも思え、それが崖縁であることもわかっていたりするわけで、ラフマニノフの第2交響曲であります。
 官能と情念と理性と、一歩外へ出れば凍える寒さの中の逃げることの出来ないささやかな温もりへの憧れ。プレヴィンの若い頃の演奏が一番、その感情に率直ではないでしょうか。
 ベルリンでの中国武漢発の新型コロナに関しての緊張は高まりを見せ、ベルリンで明日から7日間における人口10万人あたりの新規感染者発生数が200人を超えたの地区の学校では感染対策として交代制の授業などが行われる。今日は日曜であるにもかかわらず限定的に店は開く日で、年末年始、クリスマスの買い出しの日と言うことらしいのだけど、もう早速この休日返上はやるべきではなかったとか、ロックダウンは中途半端で失敗だったとか、フランスの元大統領は武漢発のコロナで亡くなったとか、ミュンヘンのあるバイエルン州ではさらなる規制強化に乗り出すとか、危機感をあおるのに躍起になっている中、ベルリン市で今月中にも認可される見通しのワクチン接種に関して、供給の不安も懸念され始めている。
 そんな中、接種希望者が少ないと言うより、反対デモが起きるくらい市民の中ではワクチンに対する懐疑的な見方が広がっているようだ。具体的には半数くらいの人しかワクチンを接種する希望者はいないらしい。メルケル首相を初め、様々な人が市民に安心してもらうためにアナウンスをしている。まるで遙か昔どこかの誰かがやった「カイワレ大根」のように自ら進んで打つというパフォーマンスまでやろうとしているようだ。もうなりふり構わずの政府に、今ひとつシラけている国民と言った構図もあるように感じる。
 統計的には、確かに「感染者」の人数は多いが相変わらず若年層の感染者は少なく、亡くなる人はやはり持病を持った高齢者が多くを占めている。
 ドイツと日本との比較では、対人口比では日本はまだまだドイツの1/15位の感染者であり死亡者でもある。



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# by yurikamome122 | 2020-12-07 05:49 | 今日の1曲 | Trackback | Comments(0)

クリスマスの賑わいにふさわしい音楽で、グリンカの「ルスラン」を試してみた

クリスマスの賑わいにふさわしい音楽で、グリンカの「ルスラン」を試してみた_c0021859_23263314.jpg グリンカの「ルスランとリュドミュラ」序曲はハイティンク盤が、たっぷり歌わせたコンセルトヘボウ管弦楽団のミルキーで滋養たっぷりの響きにものを言わせておとぎ話の行進曲のように優美で優雅に5'31"かけて音楽を進めていてファンタジックなのであります。
 が、しかし、この曲はもうF1をのようにスピードを競う楽しみもあるわけで、私の知っている最速は、実はフェドセーエフの4'36"でオケも弾けていて、かっ飛ばしていて凄いのだけど色彩感が今ひとつ地味。

 トドメはやはりムラヴィンスキーの1965年の演奏の4'39"だろうと思う。この演奏は色彩感といいキレと言い私の知る限りチャンピオンであろうと思う。これが別途死ぬ間際だと思うけど83年のライブがソ連崩壊後に出てきて、それだと5分台になっている。

 あとプレトニョフも4'46"とかなり健闘していて、ゲルギーもさすが。とはいえ、このプレトニョフとゲルギーがフェドセーエフと同じく色彩感がロシアでありました。

 そのほかには色彩感ではショルティが4'58"と、シカゴ交響楽団の技量にものを言わせて突っ走っている。
 但しこれは、5分台の声が聞こえていて、概して西側はあまり早くはやりたがらないらしい。

 で、対照的に遅さの横綱はクナッパーツブッシュで、ゴムの緩んだパンツのように5'38"かけていて、途中不可解なカットのようなものもあり、もう同じ曲とは思えないほど曲の表情が変わっていて、こう言ってはなんだがオケのピッチも不安定。


 コロナのロックダウンの真っ最中、やはりベルリン子はクリスマスの楽しみはなかなか我慢できないらしく、4年前にテロのあったカイザーウィルヘルム教会の広場では、クリスマスマーケットこそなかったけど、幾つかの小屋が出ていて賑わっておりました。もちろんここでグリューワインを飲まないわけにはいかない。
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ブログテーマ:イルミネーションショット 2020

# by yurikamome122 | 2020-12-05 05:50 | 今日の1曲 | Trackback | Comments(0)

モダンな作曲家であるはずと思っていた武満さんの昭和臭がたまらなく嬉しかった件

モダンな作曲家であるはずと思っていた武満さんの昭和臭がたまらなく嬉しかった件_c0021859_05293455.jpg 武満さんは私にとり「昭和」の作曲家であって、日本人の私にとっては「日本の作曲家」というくくりではなく「昭和」の作曲家。「ノベンバー・ステップス」も「地平線のドーリア」も「カシオペア」も今思えばタイトルも「昭和」の匂いがすると思う。
 そんな昭和臭プンプンなのが石川セリが歌う「翼」という武満さんのポップスソング集。彼は基本的にメロディーメーカーであった。メロディーの才能があった上で、あの抽象的な音楽の世界だったわけだ。
 軽い気持ちで聴き始めた1枚だけど最後まで一気だった。そして中島みゆきも聴きたくなってきた。

驚いたことにyoutubeにアルバム全曲がアップされている

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 写真は今朝7:00の外の風景。今日の日の出は7:58、日の入りは15:55。気温-5~1℃。小雪もちらつくむっちゃ寒い12月の今日、忘年会だよね。忘年会とくれば先ずはビールで乾杯だけど、でも昭和世代は日本酒なのですよ。
 街中を歩いていると日本ではよく見かける「営業中」の札、あれ、ここはHISじゃなかったっけ?と思って店に入ると、日本の食材がいっぱい。つい買ってしまった日本酒は「菊正宗」。できれば最低ランクでいいので一升瓶でほしかった。
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youtubeで見つけた酒のCM集、なかなかこれもいい味わいじゃん。


ドイツにある日本の健康保険にあたる健康保険基金(BKK)で保険をかけられた数百万人の病気率は、コロナの大流行中にはローラーコースターに乗ったようだったが、平均して前年 のレベルにとどまった と言う記事が今日ベルリナー・モルゲンポスト紙に載った。同時に、11月16日から22日の週に2,431人がオーストリアで亡くなったとのこと。これは40年間この国では起こっていない規模だという。

またドイツでは、ドレスデンのあるザクセン州で、コロナ感染数がクリスマスまでに減少しない場合、より厳しいロックダウンをすると発表した。それが実施されるとクリスマス以降は幼稚園を開くことができなくなりるという。





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# by yurikamome122 | 2020-12-04 05:56 | 今日の1曲 | Trackback | Comments(0)